私たちの心を豊かに満たしてくれる1杯のコーヒー。コーヒーは長い年月をかけて大切に育てられ、私たちのもとに届きます。
この秋のおすすめのコーヒー「スターバックス® コロンビア サンタンデール」の生産地である、コロンビア北部のサンタンデール県でコーヒーを栽培する3人のストーリーをお届けします。
“Why I like to invite people to my farm.” 私が農園に人々を招くのが好きな理由
Andrea Sanchez Garcia
2018年3月8日の国際女性デーに、スターバックスは、スターバックス財団を通じて2025年までに世界中のコーヒー、お茶、ココアの生産地の25万人の女性や女子をエンパワーするという目標を発表しました。女性や女子へのサポートはその家族とコミュニティに大きな良い影響をもたらします。2019年度末までに支援した女性たちは66,000人に上ります。
家族の時間をつくるために選んだコーヒー農園での暮らし
アンドレア・サンチェス・ガルシアは、サンタンデール県アラカトカにある”La Veguita“と呼ばれる7.5ヘクタールの農園の女性オーナーです。もともと彼女の両親は農園主でしたが、とても貧しく、アンドレアは高校に進学することをあきらめ、輸送会社の無線オペレーターとして働き始めました。そこでの約10年の間に、ホルヘ・エリサー・ムリーリョに出会い、恋に落ち結婚。2人の男の子に恵まれます。夫は有名な会社でソーダを販売していましたが、仕事はとても忙しく、家族のための時間を取ることができなかったため、二人は話し合ってそれぞれの仕事を辞めることにしました。
彼らは、アンドレアの父親から購入したバハレケという古くからの工法で作られた家がある、アラカトカの耕作放棄された農園に移り住み、コーヒー栽培を始めました。まず、コーヒーを発芽させるための施設をつくり、土地を整備し、コーヒーの木と日差しを管理するためのシェードツリーを植えました。そして、住居と水洗式加工場も修繕しました。
コーヒービジネス成功への努力の日々
はじめのうちアンドレアは、コーヒーの植え付けや雑草の除去、農園のメンテナンス、施肥など、夫の作業を手伝っていました。農園で働いてくれる人に給料を払う余裕がなかったので、自分たちですべての作業を行い、荒れ果てた農園を少しずつ「コーヒー農園」として作り上げていきました。コーヒーは、収穫期以外は現金収入がないため、養鶏をしたり、有機肥料をつくるためのたい肥づくりをしたりしました。収穫期でもピーク時以外は、縫製仕事や野菜づくりなどをして懸命に働きました。
その甲斐あって今、彼女は子どもたちに教育を受けさせることができています。二人の息子は、大学で農業を学び、コーヒー農園で働くことを望んでいます。彼女は今、子どもたちを立派に育て、心地よく過ごせる家と車、美しい農園を持ち、人生を楽しく過ごしています。
「コーヒービジネスの最も良い点は、投資に対する見返りがあり、家族には質の高い生活を、子どもたちには勉学の機会を与えることができるところです」
2017年半ばからはC.A.F.E.プラクティス(※)に参加しています。この生産性とサステナビリティを兼ね備えるコーヒー栽培のためのプログラムは、彼らの大きな支えとなり、コーヒーを常にプレミアムな価格で販売することができています。栽培技術サポートにより、生産コストを削減しながら、品質と生産性を向上させることができます。もちろん、価格の下落や悪天候、干ばつ、灌漑インフラの不足などコントロールできない困難に直面することもあるのですが。
女性としての自分のストーリーを語ること
アンドレアは、収穫期には11人、それ以外の時期でも4人を雇用しています。この地域では、男性は女性に管理されることを嫌うため、女性であるアンドレアにとって人をマネジメントすることは最も難しいことでした。アンドレアはその悩みを乗り越えてきました。「私たち女性生産者は、栽培に関わるすべてのコスト管理などコーヒー生産の基盤となる役割を担っています。つまり、私たちは農園のマネジメントを担っているのです。今私は、農園を、そして家族を、引っ張っています」
彼女は、自分のストーリーを語ることを楽しんでいます。そうすることで、ほかの女性を勇気づけ、すべてが可能であると伝えることができるからです。そして彼女は、農園に人を招くことが好きです。成功していることを見てもらうことが自分にできるコミュニティへの貢献だと考えているからです。
スターバックスは、スターバックス財団を通じて、アンドレアのような生産地の女性たちのリーダーシップスキルや必要な資金へのアクセス、地域によってはきれいな水や衛生環境などをサポートすることにより、女子教育の壁を乗り越え、より良い生活環境と社会的地位を得て経済的な成功の機会を得られるよう取り組みを進めています。
そうして、あなたの1杯はアンドレアにもつながっています。今日コーヒーを楽しむとき、少しだけ生産地やそこにいる人たちに想いをはせてみませんか?
※C.A.F.E. (Coffee And Farmer Equity)プラクティス
国際環境NGOコンサベーション・インターナショナルの協力により2004年に導入した、長期的に高品質なコーヒー豆の生産を実現する
ための調達モデル。生産性と環境負荷を抑えることを両立し、コーヒー生産者および生産地域の暮らしをより良くする栽培方法として、これまでに世界100万人を超える生産者と取り組みを進めている。
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