私たちの心を豊かに満たしてくれる1杯のコーヒー。コーヒーは長い年月をかけて大切に育てられ、私たちのもとに届きます。
この秋のおすすめのコーヒー「スターバックス® コロンビア サンタンデール」の生産地である、コロンビア北部のサンタンデール県でコーヒーを栽培する3人のストーリーをお届けします。
“The future is in the country side.“ 未来はここにある
EDUARDO FERREIRA ORTIZ
エドゥアルド フェレイラ オルティスは29歳。高校卒業後、今は、地元の大学のロースクールで学んでいます。エドゥアルドと父親は、コロンビアの北部サンタンデール県アラカトカにある8ヘクタールのコーヒー農園「エル ミラドル」のオーナーです。エドゥアルドは3兄弟の長男。父親は3人の息子たちに農園を継いでもらうため、農地の半分を3等分して3人に引き継ぎました。
「子どもの頃、父はたびたびコーヒーの手入れの仕方を教えてくれたんだ。だからコーヒー農園を引き継ぐ準備はできていたよ」
エドゥアルドは、幼い頃からコーヒービジネスが利益や雇用を生み出すのを目の当たりにしてきました。
「特に収穫の時期には、15名も雇用していた。コーヒービジネスは、僕たちにとって“前進”という意味だよ」
コーヒー生産者に必要なこと
約23年前に彼の父親がこの農園を購入した当時、農園は整備されていないばかりか、農園内の家には床がなく、壁はトタンで、公共サービスも届いていませんでした。コーヒーのおかげで、今ではとても良い家が建てられ、コーヒーを加工する機械も整備され、車もあり、彼と兄弟は教育を受けられるようになりました。
今、家族は農園の収入だけで生活しています。その中心はコーヒーです。コーヒーへの日差しを調節するために日陰をつくるシェードツリーとして植えている、バナナのような作物プランテンは、家族の食料として、またコーヒーの有機肥料の原料としても活用されます。そのほか、家庭用にユッカやとうもろこしも作っています。今の目標は、少しずつ増えているコーヒーの収穫量に合わせて、加工場などの設備を改良することと、大型の(コーヒーの実の)果肉除去機を購入することです。
「今日まで達成できたことすべてに満足している。でも、コーヒー生産者には、規律、農園への愛着、そして責任感が必要なんだ」
実際、エドゥアルドは毎日とても忙しくしています。平日はもちろん週末も。毎朝早起きして、農園でのすべての業務をこなし、その後、車を45分走らせて、夕方6時に始まる大学の授業にのぞみ、10時に帰宅すると翌日に備えてゆっくり休みます。収穫期は最も忙しく、夜遅くまでコーヒーの加工作業をしなければなりません。
コーヒービジネスで未来をつくる
エドゥアルドは、アラカトカの約30名の若手コーヒー生産者組合のメンバーの一員としても熱心に活動しています。農園を束ねてコーヒー会社をつくり、仕事を求めて都会に出ていくことなく、コーヒービジネスで生計を立てて、家族や地域の生活をより良くすることを目指しています。
コーヒー生産者は、農園の管理知識を習得し生産性の向上を図るため、栽培の専門家からのあらゆる提案に取り組んでいます。エドゥアルドの農園も参加しているこのプログラム、「C.A.F.E.プラクティス」(※)は、生産性とサステナビリティを兼ね備えるコーヒー栽培のため、2004年にスターバックスが国際環境NGOのコンサベーション・インターナショナルの協力を得て作成したプログラムです。C.A.F.E.プラクティスの実施によって、以前より高い価格でコーヒーを販売できるようになり、常に最善の方法を取り入れて生産性を高めようというモチベーションが上がっています。
「今後もこのプロセスをリードし、農園を改善していきたい。未来はここにあるから」
コーヒー生産者の高齢化と世代交代
コロンビアに限らず、生産者の高齢化と世代交代は、コーヒー栽培地域の大きな問題です。農村から都市への移動は、工業化に伴う都市での労働力の必要性などから大きく増加しています。それは、農村部での教育や医療へのアクセスが十分でなかったり、気候変動の影響により栽培環境が厳しくなるなどの要因があります。
スターバックスは、ファーマーサポートセンター(※)を通じて、C.A.F.E.プラクティスのガイドに沿った栽培をサポートしたり、若手生産者を対象に、生産性と品質を高める栽培技術のトレーニングや農園の経営について学ぶ機会を提供するなど、生産者やサプライヤーと協力して、この問題に取り組んでいます。
コロンビアのコーヒーを楽しみながら、エドゥアルドたちがつくるコロンビアの未来と、私たちの1杯のつながりに想いをはせてみませんか?
0コメント