こんにちは、Siren's Mail 編集長のアキラです。
9月からスタートした 震災復興支援 スターバックス カード プログラム では、関係する印刷物は、すべて東北の震災被害にあった製紙工場、印刷工場にご協力いただいて制作しました。
これもひとつの復興支援のかたち。
さて、“被災した工場” と文字で書くのは簡単ですが、印刷物をスターバックスのお店に納めていただける状態まで復興するのは並大抵のことではなかったはず。クリエイティブ チーム のミカさんが、今回ご協力いただいた東北工場を代表して、三菱製紙八戸工場を取材してきてくれたので、レポートしてもらいたいと思います。
キーワードは“つながる ちから”です。
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三菱製紙八戸工場は、本州北端の太平洋岸に位置しています。一番印象的だったのは、遠くからも存在感のある煙突からの蒸気。この蒸気は工業地帯一帯のシンボル的な存在です。
東北大震災時、八戸一帯は震度5弱の地震が発生し、さらに、約2時間後に8.4mもの高さに及ぶ最大級の津波が工場内を襲いました。
工場での機械はもちろん、製紙工場の心臓である抄紙機も全てストップし、在庫していた紙はほとんどが浸水し使えなくなり、工場に甚大な被害を与えました。数百㎏もの巨大な紙ロールが工場の周りをぷかぷかと浮いていたそうです。私たちには想像ができない光景です。
決して途絶えることのないシンボルであった煙突からの蒸気も途絶えました。
震災直後、これまでに経験したことのない大被害と社会的な混乱の中、「会社がだめになる。」なんとなしなければという必死の思いと、まわりの多くの方からの支援の元、復旧に向けて全社を挙げて八戸工場の復興に向けた取り組みが開始されました。
その中で、何よりも工場の人々の復興への力の支えになったのは、お客様の信頼の声でした。
「他の紙で代用したら全然だめだったよ‥御社の紙をまっているから。」
その言葉はとてもシンプル。その言葉は工場の人々の心を動かし、さらには自らの製品への自信につながり、復旧へのエネルギーを生み出しました。
工場の方々は、自らの自信と技術を高め、自らの仕事に誇りを持っている人々でした。そして、周りからの信頼によって一層輝いているのを感じました。
工場を視察させていただくことで、私たちは現地の人々のものづくりへの向き合い方に感銘を受け、そして共にものづくりをしていくことに深い意味を感じることができました。
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アキラ: 住宅地や漁業・農業関連の被害は報道で目にしますけど、工業地帯の話ははじめて聞いたような気がします。
ミカ: 八戸と言うと、本州の北端ですから、私も大きな被害があったと聞いて、びっくりしました。
アキラ: 現地に行って、何が一番印象に残りました?
ミカ: お客様からの言葉が復旧へ原動力になって、そして、工場が驚くほどの早期復旧を成し遂げることができ、再び煙突から蒸気が上がりました。それは八戸の町の人たちにとって復興の証ともなって、大きな希望になったと思うんです。工場が動いてる!八戸は息を吹き返したって。 そんな、人と人の“つながり”から、ちからが生まれてくるんだなって思いました。
アキラ: 今回の仕事は、ミカさんとっても思い出に残る仕事になったんじゃないですか?
ミカ: 今回私達からの依頼で工場の方々から、感謝の言葉を頂きました。・・とんでもありません!むしろこちらがお礼を言いたい気持ちになったし、私たちの仕事は、こういうものづくりの方々に支えられているなぁって本当に有難く思いました。そして改めて、ものづくりについて気が引き締まった気持ちです。この人たちに恥じない仕事をしようと思いました。
お客さまに信頼されるものづくり、それだけでも素晴らしいことですよね。待っていてくれる人がいる、楽しみにしていてくれる人がいるって思うだけで、すごく“ちから”になります。そして、信頼に応えようっていう気持ちが“つながって”いくことで、さらに大きな力になっていく。
東北の街はだいぶ元通りになりつつあるようですが、まだまだ30万人以上の人が仮住まいでの生活を余儀なくされていると聞きます。“つながる ちから”が広がって、もっとたくさんの人が前を向いて進めるようなることを願って、震災復興支援 スターバックス カード プログラム は、まだまだ続きます。
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