「ぜひ、自分の“好き”を見つけてほしいと思っています」
集まった参加者に向けて語りかけたこの言葉には、おそらくこの日、最も想いがこもっていたのではないでしょうか。
2019年6月10日14時、スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京でいよいよ始まったコーヒーセッション。合計4回行われたセッションの最初の回で、講師を務めるコーヒースペシャリスト・松田賢哉が発した“好きを見つけてほしい”。ここにこそ、ロースタリーで行われる今後のセッションの方向性が含まれていたのかもしれません。
「ロースタリー以外のスターバックスでもセミナーは行われています。参加者の皆さんは、学びに来るというよりは、コミュニティに参加するというイメージに近いかもしれません。ではロースタリーでコーヒーセッションを行うとなった時に、どういうことをやるべきなのか。できれば参加するだけでなく、それぞれが新しいものを生み出せる場所にしたいなと。ただ教えるのではなく、何かをつかむキッカケになればいいなと」
そう話す松田がセッション内で行った、“カッピング”は上級者向けの内容なだけに、通常店のセミナーではあまり行われていません。
「ロースタリーでしかできないこと、そのひとつが、焙煎したての豆を使ってコーヒーを知ることです」
カッピングは、焙煎したコーヒーの風味を確認するために行われるもので、挽いたコーヒー豆に直接お湯をそそぎ、香りと味わいを確認する。焙煎したてのコーヒー豆を使用したカッピングは、まさに焙煎を行っているロースタリーだからこそできることです。
この日、カッピングが行われたロースタリー4階のスペースには名前が付いています。
さまざまに色づく才能を「編み」、輝かしいアイデアを「生む」場所。新しい未来を創造する場を生み出したいという思いが込められています。
「スターバックスは、お客様とのつながりで成長してきた会社です。スターバックスとお客様との間には“コーヒー”がありますが、最終的にはパートナーとお客様とのつながりが大事だと考えています。そのための場所として、ここ“AMU TOKYO”が使えれば」
この時のカッピングセッションでは、4種類のコーヒー豆が使われました。どれがどういったコーヒー豆かを伏せた状態でのブラインドカッピングでスタート。30人ほどの参加者は、思い思いに香りを嗅ぎ、コーヒーをすすり、自分の感覚で味を確かめていく。レベルの高い内容ながら、それぞれの感覚で初めての体験を楽しむ姿、それこそが、AMU TOKYO が生み出したいものなのかもしれません。
「若い人たちがすすって体験してくれたのがうれしい。何かの時に『あぁロースタリーであんなことやったな』と思い出してもらえたり、また足を運んでくれたりするかもしれない。そういう体験価値を提供できることがやっぱりうれしいんですよね」
1回目が終わって松田が話した言葉には、これからの AMU TOKYOに期待すること、AMU TOKYOがやるべきことが込められていました。
「ロースタリーではさまざまな思いや夢を持った人たちが働いています。モチベーションはとても高い。だから言うんです『楽しんでやろう! それは必ず伝わるから』って」
2回目、3回目と進むにつれ、少しずつ内容を変えて行われたこの日のセミナー。参加してくれた人たちに、どんな体験を提供でき、どんな価値を生み出してもらえるか。そんな想いを持ちながら、参加者を笑顔にし、参加者の要望に応える。まさに、“人と人が編む”コーヒー体験がそこにはありました。「『このコーヒーはここで焙煎しているんですよ』と言えるっていいですよね」
ちなみにこの日のカッピングで使われたコーヒー豆は、スターバックス リザーブ®で取り扱っている、ロースタリーで焙煎した「ルワンダ ムホンド」「コロンビア ラ ホヤ」、稀少なゲイシャ種「ボリビア ブエナビスタ エステート」。そして、ウイスキーの樽で生豆を寝かして風味付けした「ウイスキー バレル エイジド コーヒー」の4種類でした。他では味わえないコーヒー豆を使ってのセッションも、やはりロースタリーならでは。コーヒーが好きな人にとっても、コーヒーには詳しくない人にとっても、きっと新たな体験価値が生まれることは間違いなさそうです。
(取材・文/円道秀和)
▼AMU TOKYO コーヒーセッション
ロースタリーの4階、AMU TOKYOで行われるコーヒーセッションは今後、新しいスターバックスリザーブ® コーヒー豆が発売される毎月10日前後に開催されます(有料)。詳しくはロースタリーのサイト上で案内されます。ロースタリーでのセッションだからこその、他では体験できない内容になっていく予定です。
https://www.starbucks.co.jp/roastery/amutokyo/
スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京
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