~8回目の今年は寄附先を拡大。支援の輪がさらに広がりました~
日本に住むすべての若者が、自らの手で未来を切り拓いていけるように。一杯のコーヒーからの寄付を通じて、若者の夢を応援するハミングバード プログラム。2011年3月の東日本大震災の翌年から、全国のお客様とスターバックスが一緒に進めてきた取り組みも8回目を数えました。今年集まった16,564,600円を合わせ、累計寄付額は、約1億5800万円になりました。皆さまの長きにわたる温かいご支援に感謝いたします。
今年から、震災で親をなくした若者たちの進学を支援する「公益財団法人みちのく未来基金」に加え、経済的困難を抱える家庭の子どもたちに、塾や習い事等で利用できる「スタディクーポン」を発行し、学びや体験の機会を提供する「公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン」)が新たな寄付先となりました。
今回の寄付によってスタディクーポンを届けることができた子どもたちが、将来の夢やスタディクーポンを使って学びたいことを綴って届けてくれました。等身大の言葉に、夢に向かって一歩踏み出そうとする喜びと力強さを感じます。全国のお客様が応援してくださった、子どもたちの夢の一部をご紹介します。
<大阪府中学3年生 Aさんの夢/クーポンの使い道>
― 将来の夢は、医療関係者か教師です。小さい頃から、医療関係者の方々に大変お世話になっており、その凄さをこの身で実感し、心から尊敬しているとともに、私も人を救う仕事をしたいと思ったことがきっかけとなりました。小学校、中学校、高校、大学と教師の方々には勉学だけでなく、人の在り方や他者を大切にすると同時に自分自身を大切にすることの大事さを教えて頂きました。今までいろいろな方々に支えられ、救われて生きてきました。今度は私が救う番なのです。これまでの感謝を少しずつ恩返しできたらいいなと思います。(抜粋)
<岩手県高校3年生 Bさんの夢/クーポンの使い道>
― 夢は理学療法士です。目指すようになったのは、祖父ががんで入院していた時、理学療法士の方が寝たきりの祖父をマッサージしているのが印象的だったことと、私が腰を怪我して入院した時、まともに歩けなかった私に優しく最後までリハビリを行ってくれたことが理由です。母子家庭で裕福ではなく、東日本大震災の被災によって経済的余裕がありませんでした。理学療法士の国家資格を取るための大学に進学できるように、スタディクーポンを使い、今まで以上に勉学に励みたいです。(抜粋)
ハミングバード プログラムが今年、東北だけでなく日本全国の若者の応援へと発展し、新たな寄付先として加わったチャンス・フォー・チルドレン。代表の今井悠介さんに、活動を始めた思いや、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などについて伺いました。
■ 誰かの役に立ちたい。被災、そして、支援。違う立場から見えてきた役割
1995年1月。寒い冬の明け方に発生した「阪神・淡路大震災」。神戸市出身の今井さんは当時、小学2年生で、自宅は半壊。家を失って転校していく同級生たちの姿も記憶に残っています。その後、大学時代に出合ったのが、阪神・淡路大震災の支援を行う学生団体でした。「神戸、地域を支えていきたい。誰かに必要とされること、役に立つことがしたい」と参画。青少年を対象としたレクリエーション活動、不登校児童等への支援を展開するNPOの立ち上げにも携わっていく中で起きたのが、東日本大震災(2011年3月)。全国から寄せられる支援に、「神戸も当時、こうやって支えられていたんだ」。被災者から、支援者として立場が変わる中で、誰かのためになりたいという意識を強め、震災の3か月後にチャンス・フォー・チルドレンを設立。25歳でした。
■ 新型コロナウイルスの影響。重要さを増す、教育格差の解消を目指す支援
プログラム期間中、新型コロナウイルスの感染が広がり、外出もままならない状態が続きました。コロナは人々の生活、そして、子どもたちを取り巻く環境にも大きな影響を与えた、と今井さんは言います。家計の収入の変化はもちろん、休校によって自宅での学習が増え、オンライン化も加速。ネットワークの環境やタブレットの所持の有無など家庭の境遇のばらつきやその差が浮き彫りになり、「支援を必要とする子が減っていくのが理想だが、すでに支援を求める声は目に見えるところでも増えています。平時の課題があぶりだされ、経済格差がもたらす教育の格差、この解消を目指す支援は重要性を増したと感じています。スターバックスさんと一緒に、支援の輪をこれまで以上に広く、大きくしていきたい」と強調。今井さんは、「寄付が子どもたちの豊かな経験につながる。『支える側』と『支えられる側』の境界をなくし、社会全体で支え合うコミュニティを作りたい」との思いを強くしています。
こんな時だからこそ、明るい未来に希望を持ちたいー。前向きで、勇気を持った若者の行動力が、これからの時代を切り拓いてくれると、スターバックスは信じています。子どもたちが、自分の力ではどうすることもできない理由から、素敵な夢を諦めてしまわないように、ハミングバード プログラムはこれからも、子どもたちの「学びたい」という思いに寄り添っていきます。「一人ひとりの行動は小さくても、集まれば大きな力になる」。それが、プログラムに私たちが込めた思いです。
(広報部・外処 郷平)
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