みなさん、こんにちは。
ブログ編集部のケンです。
早いものでもう9月。
私にとって毎年楽しみにしているアップルパイの季節の到来です。
なんと今年はアップルパイがさらに美味しくなったと聞きつけて、フードエキスパート古川さんにお話を伺いました。
ケン:アップルパイ計画はりんご選びからですか?
古川:りんご生産量は日本国内で年間90万トンあり、その内の半数に及ぶ45万トンが青森県内で生産されています。言うまでもなく青森は日本一のりんご大国です。
我々スターバックスが理想としているアップルパイは、アメリカのお母さんが自分の子供たちのために、休日に家庭などで手作りしているものでした。
アップルパイとひとことで言っても、りんごの品種はもちろん、柔らかく煮込んだものから食感の残るもの、糖度や生地の感触など実に様々なんです。
私たちはりんご本来の「程よい酸味と口に入れたときにシャキっとする歯ごたえ」をテーマに、りんごの品種と特徴から〝ふじ〞 と〝紅玉〞という2つの品種を選定しました。
しかし紅玉は、青森県内全体の数%にも満たない収穫量しかない品種で、当初はふじメインでアップルパイの販売を行いました。
りんごは品種ごとに加工方法に違いがあり、歯ごたえに必要な硬さ、適切な糖度を保持する技術力の高さが必要です。紅玉は、多品種と比べサイズが小さく、加工可能期間も非常に短くデリケートなんです。
さらに、カッティングやサイズの統一など、細かなディテールも協力企業にご対応いただき、昨年は20%ですが、紅玉をブレンドしたアップルパイの発表ができました。
紅玉という貴重な品種がしっかりとみなさんに届けられるように、アップルパイのホールのセンターに紅玉を配置するなど、製造工程上でも工夫を凝らしましたね。
ケン:貴重かつ収穫量が少ない紅玉にこだわる理由とは?
古川:確かに、紅玉の収穫量はふじと比較すると少ないので、使用量確保が難しいです。
しかし、我々はいつもシンプルな商品を提供したいと考えていて、シンプルにこだわればこだわるほど、商品の主体となる素材本来の旨味が大きく影響してきます。
りんごとパイ生地をメインで構成されているだけに、主となる素材のボリューム感を出すことを意識しました。ゴロっとしたりんご自体の特長を具現化したかったんです。
そして、糖度とのバランスを引き出してくれる酸味が特長の紅玉は、なくてはならないチームのキャプテンのような存在です。
ケン:ついに紅玉50%まできた!
古川:9月1日から全国で発売されるアップルパイでは、ふじ50%、紅玉50%を使用しています。ふじを中心とした商品からスタートし、紅玉の割合が増やしていき、今年はついに50%にすることができました。
これは我々にとって理想に近づいているという観点からみてもとても喜ばしいことです。今年の発売に関して、加工された状態で80トンほどのりんごを使用しています。青森県内だけでみるとふじの生産量が半数に及んでおり、先に述べたように紅玉の生産量は全体の数%未満。今回紅玉りんごだけで実に約30万個弱。約70トンを加工し約40トンもの紅玉を使用させていただいています。
これは、青森県内の農協さんや農家さんにもご協力いただいた賜物だと感じていて、商品を通じて地域の方々と一緒にプロダクトを作り上げている感覚が非常に喜ばしく思います。スターバックスで働くパートナーは、商品のストーリーを理解して商品作りに感動し共感することではじめて、ご来店くださるカスタマーにしっかりと商品の良さを伝えています。
私たち商品をプロダクトするセクションは、つねに感動できる商品と私たちを支えてくださる製造に関わる方々とのストーリーを作ることが、スターバックスというブランドとしての責任であり、さらなる魅力に繋がると信じて取組んでいます。
ひとつの商品を少しでも美味しくしたいと思い、日々改良の余地を探しています。アップルパイもいつか、紅玉100%で商品化できるようにしたいですね。
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そして今回特別に、スターバックスのアップルパイができるまで、密閉されたりんごの加工工場の一部を紹介してくれました。
1、青森県産のりんご
特別な加工技術と機密性が高く管理された工場へと運ばれてくるりんごたち。
皮むきの作業行程を機械が自動的に行う。
2、熟練職人たちが手作業で検品
機械から皮を剥いた状態で流れてきたりんごはビタミンCを含んだタンク
の中に。そこから熟練の作業員が念入りに状態をチェックし傷などを確認しながら芯を
取り除く
3、効率よくスライサーでカット
りんごのサイズに応じて、カットされる大きさをスライサーによって均一にする工程の工夫をしている
4、企業秘密の特殊技術でリンゴを美味しく保つ
写真ではお見せできない製法を経て、キレイな黄金色で、カタチ・艶と三拍子そろい踏
み。この独自製法は創業から培われた経験と技術向上の集大成ともいえる。
5、地元の農協や生産者さんとのコミュニティの大切
手間暇を掛けて育成する農家さんを訪問。現場で顔をみて対話する時間もとても大切。さらなる素材の魅力や可能性も教示してくれる。商品を通して地域を笑顔に。
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たくさんのみなさんの思いがつまっているのが伝わってきましたね。
今年のアップルパイ、ぜひ一度試してみてください。
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