一杯のコーヒーからの寄付を通して、日本の未来を切り開く若者たちを応援する「ハミングバード プログラム」が今年もスタートします。
その開始を前に、プログラムへの理解を深めるオンライン勉強会を3月1日と2日の2日間、実施しました。昨年から新しい寄付先となり、子どもの教育格差の課題に取り組む「Chance for Children」(以下、CFC)のスタッフが子どもたちの現状や新型コロナウイルスの影響を発表。全国の店舗から、のべ220人のパートナー(従業員)が参加しました。
勉強会を通じて感じた気づきや学びを共有したほか、プログラム期間、店舗で行うコミュニケーションについて活発に意見を交わしました。
■ 貧困の世代間連鎖、教育機会の格差をなくしたい。CFCの活動の目的と意義
3月1日(月)、約120人が参加した勉強会は、CFCの入安にろさんが、日本における教育格差の現状、CFCの活動の目的を紹介し、スタートしました。入安さんがCFCに参加するきっかけとなったのは、10年前の東日本大震災。仙台で被災したあと、すぐに実家に帰省し、「何もできず、被災地から逃げてしまった」という思いを抱き、「何か自分でもできることをしたい」とボランティアとして、CFCへの参加を決意したといいます。
「13.5%。日本では、7人に一人が相対的貧困の状態にあります」「普通に享受できていることが受けられない相対的貧困。ほかのみんなが当たり前に持っていることを持っていないことは、子どもたちにとって、とても苦しいことです」。入安さんから次々に語られる、子どもたちの教育格差の実態。家庭の状況などで、放課後に塾に通えない、習い事も体験できない、など学びの機会を失い、将来の夢を諦めてしまう子どもたちが多くいる現状を訴えました。
2020年度は約600人の子どもたちを支援し、スタディクーポンの提供額も1.1憶円に達したことなども報告されました。昨年、ハミングバード プログラムの新しい寄付先となったことで、CFCの活動を知ってもらう機会が増えた実感があるといい、まだまだ希望する全員に寄付を届けることができていないが、着実に支援の輪の広がりを感じています。
入安さんのほか、子どもたちから電話などで定期的に学習や進路の相談にのる「ブラザー・シスター制度」で実際に担当をしている髙森さくらさんと、髙橋実加子さん(いずれも大学4年)が体験から得た気づきを共有し、また、実際に支援を受けた生徒が感謝や夢を語りました。入安さんは「コロナを経て、支援を必要としている子どもは増えています。多様な学びを、みなさんと一緒に支えられたら」と、最後に参加者に呼びかけました。
■ まずは自分で一歩を踏み出し、仲間やお客様と一緒に、さらに大きな一歩に
その後、参加者を少人数のグループに分けて、学びや気づきを共有するセッションでは、ストアマネージャー(店長)などを中心に全国から集まったメンバーが、活発な意見交換を行いました。
「日本にいると、貧困とはとてもかけ離れたものに感じてしまっていました。スターバックスがプログラム、寄付を通して、それを少しでも解消できたら。助けになったら。スターバックスが取り組むことで地域社会に活力を、影響を与えていきたいと思いました」
「新しく開いたお店で、ハミングバード プログラムは初めて。お客様に伝える前に、まずはパートナーに知ってもらい、自分の言葉で伝えられるようにしていきたいです」
それぞれの思いを共有しながら、プログラム期間中には店内に寄付の仕組みをイラストで紹介したい、パートナー間で理解を深める会を持ちたい、バックルームで今日の学びをテキストにして掲示しておく-など共感を生み、さらに広めていくためのアイデアが次々と出ました。
勉強会では多くの学びがありました。厳しい教育格差の現状、さらに、コロナの影響も色濃く受けているということ。まだまだ寄付を通じた支援を必要としている子どもたちがいるということ、など。同時に、寄付のその先に、子どもたちの夢がつながっていることも知ることができました。
「まずは、知ることが大事。今日知ったことをどう伝え、どう行動していくかがもっと大事になっていくと思います。私ひとりが、知るだけでも一歩を踏み出せたと思うので、これを店舗に持ち帰って、みんなでその一歩を踏み出す。全国に広がる店舗で、地域はそれぞれ違うけど、やれることやっていきましょうね」。セッションで力強く呼び掛けているパートナーの言葉が印象に残っています。
ハミングバード(ハチドリ)に込めた思いは、「一人ひとりの行動は小さくても、集まれば大きな力になる」です。参加したパートナーたちは勉強会を通して、全国に広がる仲間たちと一緒に支援の輪を大きくしていきたいという思いを強めていました。
日本に住むすべての若者が夢に向かって、自らの手で未来を切り拓いていけるように。
3月8日(月)からハミングバード プログラムが始まります。
(広報部・外処 郷平)
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