2020年12月、スターバックスは東京都と埼玉県にある中学校・高等学校3校を訪問しました。これは、誰もが自分の居場所と感じられる文化を大切にしているスターバックスが、認定NPO法人ReBitとともに取り組む「レインボー学校プロジェクト」。LGBT*や多様性への理解を深め、学校が自分らしく居られる場所となることを目指しています。スターバックスは、2020年春に売上の一部がこのプロジェクトへの寄付となる「NOFILTERタンブラー」をオンライン販売しました。ご購入いただいたお客様のサポートによって、ホリデーシーズンにお客様の温かい気持ちとともに、多様性を考える授業をおよそ1,500名の生徒に届けることができました。
* レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字。性的マイノリティの中にはL・G・B・T以外にも様々なセクシュアリティやアイデンティティを持つ方がいらっしゃいますが、便宜上性的マイノリティの総称として使用しています
「性はグラデーション。誰一人同じではなく、みんな違う。」
自身の経験を伝え、自分らしく居られる場所を作ることをみんなで考える90分。
「学校でLGBTを話題にする機会を作ってくださって、ありがとうございます。自分のことを話せることが嬉しいです」。授業が終わったあと、一人の生徒さんが感謝の言葉を伝えてくださいました。
思春期は、子どもから大人への過渡期で心と体が変化し、大きく心を動かされる一方で、色々なことを繊細に感じ取る多感な時期です。自分自身に向き合うことで、悩むことも少なくありません。SOGIE(ソジー:性的指向、性自認、性表現)もそのひとつ。日本国内にはLGBTは約3~10%いると言われており、仮に30人クラスの場合約1~3名の割合でいると想定されますが、そのLGBTの約7割がいじめを受け、学齢期をピークに自殺願望を抱く傾向が高いのが現状です。他方でLGBTについて学んだことがある中学生はわずか11%しかいないといいます。スターバックスはすべての子どもが多様な性について正しい知識を身に着け、安心して学校に通えるようになることを願って、認定NPO法人ReBitとともにこのプロジェクトを立ち上げました。
データ出典:
「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム(2019)「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」、日本労働組合総連合会(2016)「LGBTに関する職場の意識調査」、株式会社LGBT総合研究所(2016)「LGBTに関する意識調査」、電通ダイバーシティ・ラボ(2018)「LGBT調査2018」、日高庸晴・三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」(2018)、「多様な性と生活についてのアンケート調査」(有効回答数10,063)、岩手県高校教育研究会学校保健部会・いわて思春期研究会(2013)「高校生の生と性に関する調査」、ReBit(2019)「多様な性に関する授業がもたらす教育効果の調査報告」
今回3校で行った90分の「“多様な性”や“多様性”について」の授業では、スターバックスの店舗パートナーを含めて複数のLGBT当事者やアライ(LGBTを理解し、支援する人)が登壇し、自分の経験を語りました。幼い頃から同性を好きになることに気付いた人、だいぶ大人になって初めて同性を好きになった人、自分の性別を男女のどちらでもないと感じている人、恋愛対象を持たない人、いわゆるLGBT当事者ではないけれども体の性とは異なる”男性らしい“もしくは”女性らしい“表現が好きな人など様々。それぞれが自分に気付き、それぞれの置かれた環境の中でどのように自分自身が自分を受け入れ、今があるのかを丁寧に伝えていきました。知識だけではない一人ひとりのストーリーを通じて、人の数だけ違いや個性があること、そしてLGBTに限らず自分自身を含めて「自分らしさとは?」「自分らしくあるには?」そして「自分らしく居られる場所を皆で作るということ」を、生徒の皆さんと考える時間を持つことができました。
スターバックスのパートナーが身近なロールモデルに。
「自分らしく生きていこう」「一人ひとり違うものなんだ」「悩んでいる人の力になりたい」。新たに抱いた感情や気づきの数々。
LGBTというと、「実に少数の人で、自分とは遠い世界の人」「テレビの中に出てくる特別な存在」といったように感じている方もいるかもしれません。しかし今回スターバックスのパートナーのストーリーは、生徒の皆さんにLGBTの存在をより日常のものとして受け取り、実際のロールモデルとして身近に感じてもらえ、また今現在何かに悩みを持っている生徒さんへ勇気を届けることが出来たように思います。授業後も、様々な生徒さんからご相談やご質問が相次ぎました。自身のセクシュアリティへの悩みや、セクシュアリティ以外にも周りと違うことによる不安を打ち明けてくれた生徒さん、そしてLGBTの友人を支えるためのアドバイスを求めに来た生徒さんなど。自分自身に真摯に向き合っている生徒の皆さんと、膝を突き合わせお話をさせていただいたパートナー自身にとっても、自分を改めて顧みる機会、そして皆さんの身近なロールモデルという存在になれる喜びを感じることができました。
<以下生徒さんのアンケートより>
「自分は、LGBTに対して少し嫌悪感を持っていました。しかし、今回の授業で“こんな人なんだ”と知り、一方的に嫌っていた気持ちがなくなりました」
「お話くださった皆さんが、過去に色々な経験をしながらも自分らしく生きている姿がすごいと思い、自分は性において違和感はないけれど、自分らしく生きていけるようになりたいと思った」
「自分も障がいがあり、周りとの違いに悩んでいました。でも徐々にみんなが自分を受け入れてくれて、一緒に遊んでくれたりしてとても嬉しかったです。そういう所はLGBTとも共通するのかなと思いました。今でも人種差別など色んな差別があると思いますが、差別のない平和な世界になって欲しいと思いました」
「自分の友だちにも苦しんでいる人がいるかもしれない。もし自分を信じて相手がカミングアウトしてくれたら、話してくれて有難うの気持ちを伝えて、力になりたいと思いました」
「自分が周りの人と違う事が嫌で”ダメなんだ“と思っていたけど、今日、一人一人違うんだという事を聞いて、これからはもっと自分らしく自信を持って生きていこうと思えました」
「LGBTについて客観的に見ていたが、皆さんの話やスタバの取り組みを聞き、自分にも関係のあることだと思えました。社会での取り組みがもっと良い方向に進み、すべての人が自由な表現を出来る世界を作っていけたらいいなと思いました」
「若者たちが自分らしくいることを応援したい」。皆さまの想いで実現したプロジェクト
スターバックスは、お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられる文化を大切にしています。
LGBTをはじめ誰もが生きやすい社会を目指しイベントなどが行われるPRIDEウィークに合わせ、スターバックスが目指すダイバーシティ&インクルージョンの想いを込めた「NO FILTER」のメッセージを入れたタンブラーを制作、販売しました。非常に多くの方に賛同いただき、このタンブラーの売上の一部を認定NPO法人ReBitに寄付し、ともに「レインボー学校プロジェクト」を実施することができました。改めまして、感謝申し上げます。
スターバックスの「ダイバーシティ&インクルージョン」についてはこちら
(広報部Social Impactチーム 林 絢子)
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